インドにて15(エピローグ)
その年の年末年始を僕はアシュラムで迎えた。 アシュラムに来て2カ月がたっていた。僕は帰国を考え始めていた。 旅はある時点を超えると惰性になり始める。 僕も当初の高揚した気分が薄れ、毎日学校に通うように習慣でアシュラムに行き続けるようになっていた。...
インドにて14(アシュラム編)
セラピーは地下室のような窓も何もない部屋で行われた。床や壁には人がぶつかっても怪我をしないよう、クッション体が敷き詰められていた。 それだけ激しい、ある意味危険なセラピーであることが分かった。 参加者は30人ほどであった。西洋人がほとんどで、日本人も数名いた。...
インドにて13(アシュラム編)
プーナの生活も1カ月以上たち、知り合いも増えアシュラムにも慣れてきた。 僕はずっとやってみたいと思っていたカリキュラムがあった。 それは1日3時間、全3週間に及ぶセラピーで”ミスティック・ローズ”と呼ばれる人気コースだった。...
米国出願の陰影のお話
米国特許・意匠出願の際、図面に陰影を施すことを求められるのは、特許業界の方はご存知だと思います。 図面に陰影を施すのは、経験と、何よりセンスが必要ですし、複雑な図面だと相当な時間を要します。 正直”陰影は面倒だな”と思う図面屋さんも多いでしょう。...
インドにて12(アシュラム編)
僕に質問があることが分かると、キラン・ババは手招きし、僕をババの隣に座らせた。 僕は拙い英語で一所懸命に祖父のことを話した。若い時に”南無阿弥陀仏”の大音声が勝手に出たこと。河での事故であったにもかかわらず、死期を知っていたかの様に遺言書が書かれてあったこと。遺体が非常に綺...
ロングウォレット
革の染色から行ったロングウォレットです。 敢えて刷毛跡を残す染め方をしております。勿論、総手縫いで仕立てた作品。 良き色に仕上がっております。 親戚の一人が体調を崩して入院したため、お見舞いの代わりに作成。 退院したら、この財布に大金を詰め込んで、豪遊してもらおうと思いまし...
インドにて11(アシュラム編)
悟りを開いた(西洋人はエンライトした”光明を得た"と表現していた)と噂のキラン・ババに会うため、その週の土曜日、僕はリクシャーでババの家に向かった。 講和の時間(インドではダルシャンと呼んでいた)になると、西洋人やインド人が続々と集まった。ダルシャンの場所はババの自宅の庭で...
インドにて10(アシュラム編)
ある日、アシュラム内でアート作品の展覧会があることを知った。 以前このブログでも書いたが、僕の祖母は和紙人形師で晩年は大手のデパートで何度も個展を開いていた。 僕はインドへ旅立つ前、祖母から簡単な和紙人形の作り方を教わっており、和紙人形の材料も多少だが持ってきていた。...
ポシェット&ブックカバー
趣味で長年やってるレザークラフト下の写真はポシェットです。 革の染色から行っていますが、染めたのは家の奥さんです。 染めた革を総手縫いで仕上げております。 ベジタブルタンニンレザーを使っている為、色合いや艶が変化していきます(エイジングってやつですね)。...
インドにて9(アシュラム編)
僕の部屋がある3階のフロアは2LDKの作りで、僕が最初に家賃交渉した長髪のインド人の 男とその奥さんそして、ドイツ人の若い女性が住んでいた。今でいうルームシェアの形態である。 長髪のインド人はハリ・バクタという名の男で悪い奴ではないが、少々煩く、...