インドにて2

翌日、僕たちは2等席の列車に乗って北へ向かった。


タージマハルで有名なアグラが目的地だが、ボンベイからは相当遠いので、途中の町に立ち寄りながら、


一週間ほどかけて到着すればいいと考えていた。


インドの2等席はそれは酷い代物で、車内清掃など全くしておらず、ゴミは散らかり放題、時刻表は全く当てにならず、

今自分が乗っている列車が目的地の方向に向かっているのか?いつも不安に思いながら、カチカチの座席に毎回十時間以上座り続けなければならない。


駅に停車すると、サモサ売りやらチャイ売りがわらわらと乗り込んで来て、乗客に売り始める。


僕は毎回チャイを楽しみにしていた。日本のインド料理店で飲むチャイと違い、安物の紅茶をミルクと砂糖でかなり甘く煮出しており、トロリとした舌触りで実に美味かった。このチャイが素焼きのカップに入れて出される。値段は日本円で

10円から50円程度。飲み終えたカップは窓から放り投げて捨ててしまう。素焼きなのでいずれ土に還るのだ。

安宿に宿泊しながら僕らは1週間ほどでアグラに着いた。

アグラは有名な観光地なので、土産物屋もリキシャの運ちゃんもホテルの客引きも”すれっからし”になっていて、兎に角すぐに"ふっかけて”くるので毎度ながら値段交渉が大変であった。


タージマハル自体は美しい場所だが、人も町もがさつな印象しかなかった。観光地の押し売りは何処でも酷いもので、毎回追い払うのに苦労する。



どこの町だったか忘れたが、ある男が近寄ってきた。僕は”またか”と思い邪見に追い払おうとした。男は”まあまあ”という素振りをし、「君はインド人に対してどう思っているのか?」などどと聞く。


僕は「インド人は金、金、金だ!」と正直に答えた。


男・・・「君は大変な誤解をしている。良いインド人も多くいるのだ。是非とも自分に君の誤解を解かせてくれ。」

僕・・・「いやいや、インド人というのは最後には必ず金の話になる。」  

男・・・「それな大きな誤解だ、まあお茶でも飲みながら話そう」 こういった押し問答が暫く続き、最後に男はぬけぬけと言った。


「ところで宝石買わない?」。。。。。。

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