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インドにて6

ダル湖の船上ホテルには僕の他に西洋人の若いカップルと、一人旅の日本人の女性がいた。


話を聞くと日本人女性も、同じ手口で騙されてここに来たことが分かった。


僕以外は皆、1週間以上船上ホテルで足止めを食らっており、どうしたらカシミールから出られるか手探りの状態だった。


船上ホテルの家族どもは、旅行者に金を使わせることにしか興味はなく、とにかく毎日のように物売りが部屋に押しかけてきて、土産物を買わせようとする。


最初の数日は物珍しさもあり、しつこい土産物屋を適当にあしらったりして、そこそこ船上ホテルの生活を楽しんだが、あたりは戦争状態で頻繁に銃声も聞こえ、外出もままならず、いい加減飽きてくる。


僕らが飽き飽きしている所に付け込んで、オーナーはしきりとトレッキングに行くことを勧めてくる。始めのころは断っていたが、毎日毎日となると断るのも面倒になって、結構な金額を支払って、トレッキングを了承した。


聞けば、ジープで数時間走った”パハルガム”という村でポニーに乗り換え、数日間かけてカラコルム山脈の山の中を、テントや山小屋に泊まりながらうろつく、とのことだった。

僕と西洋人カップルが参加することとなり、僕らはジープでパハルガムへと向かった。


村ではガイドとポニーが準備されており、5分ほど馬に乗る練習をして”さあ、出発”という雑さであった。僕は初めての乗馬であり、馬のほうも初心者を馬鹿にして言うことを聞かないため、大変怖い思いする羽目になった。


山の中の道はポニー一頭がやっと通れる広さであり、場所によっては目も眩むような崖の道を通ることもある。高度で言うと3000m以上の森林限界線を越えるような場所である。言うことを少しも聞かない僕の馬は、何故かしきりと前を行く馬を追い抜きたがり、僕はこの仔馬に殺されてしまうのか?!!と心底不安であった。


2日目あたりからは、ほんの少し慣れてきて、僕も落ち着きを取り戻したが。


初日は山小屋に宿泊。そこで初めて西洋人カップルと、”英語で”話をした。男性はエリック、女性はジェノービアという名前で、二人は旅の途中で出会い、そのまま一緒に行動しているという。二人ともいい人で、僕の拙い英語に辛抱強く付き合ってくれた。

その夜の話で、二人も僕と同じようにニューデリーの旅行会社に騙されてカシミールに来たことが分かり、お互い距離がぐっと縮まった気がした。


2日目以降は森林限界を超え、目の前には壮大なカラコルム山脈の景色が広がる中、ポニーに揺られのんびりと進む。


ガイド付きなので食事の心配がないのが有難い。仲良くなったエリックやジェノービアとポツリポツリと拙い英語で会話し、途中猟師小屋でチャイを御馳走になったり、中々年期の入った古いテントでキャンプしたりと、数日山の中で過ごした。


無事トレッキングも終わり、パハルガムから再びジープでダル湖に帰る途中のこと。多くの車が渋滞して足止めを喰らっている。軍人がやって来て所持品の検査をされた。聞けば、この先の道路に地雷が仕掛けられているとのこと。毎度毎度ヤレヤレである。。。

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