特許図面業界の現状(2)
しっかりとした図面を描ける人材を育てるのは急務だと考えているのですが、どうしてもそれなりの時間はかかります。
特許図面の描き方的な書籍もたまーに目にしますが、特許図面のほんのサワリの解説で終わってますので、書籍を読んで独学というやり方では上達は難しく、実践経験は必須です。意匠図面の場合は、テクニカルイラストレーション(立体製図)の知識も習得しなければいけません。
図面を初心者から描き始めて、ある程度仕事を任せられるようになるには、特許図面で2~3年、意匠だと4~5年は最低でもかかります。独立してやっていけるようになるには、10年は必要かと思います。
10年頑張って一人前になって独立したとしても、大儲けできるような仕事でもなく、納期に追われる日々ですのでこの業界でやっていこうと思う若手は少ないでしょうね。
僕もそろそろ若手を育ててみたいと思いますが、正直人を雇って何年もかけて育てる余裕はないです。弟子ならいいですけど。(笑)
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ここ10年ほどは意匠の仕事が増え、幸運なことにありとあらゆる意匠図面の経験を積む事ができました。国内でもっと意匠出願が増えて欲しい、盛り上がって欲しいと思うのですが、肝心の図面担当の人材が不足しています。
原因の1つは出願数が特許に比べて少ないため、数多くの意匠出願を手がける特許事務所とのお付き合いがないと、図面屋にいいネタが回ってこないんですよね。
図面で食っている人でも意匠図面は年間数件程度・・・という方は多いと思います。
図面側も経験を積むのが難しい。弁理士の方々もいい図面屋を確保できない限り、意匠出願に積極的になるのは難しいのかな・・と想像します。
1度や2度、特許・意匠図面のセミナーに参加した程度ではとても実戦では役にたたず、コンスタントに仕事をし続けていないと上達しないので状況は厳しいですね。でも何にもしないわけにはイカンと思いますので、このニッチな図面業界に興味のある方、セミナー等ご希望の事務所様がいらっしゃいましたら、ご連絡下さい。できる限りのご協力はいたします。