脱力
僕は趣味でロードバイクに乗るんですが、いつも気を付けるのが足の脱力です。普通足の筋肉(太ももやふくらはぎの)を使ってペダルを"踏み込む"と考えがちですが、使う筋肉は体幹、お尻、太ももの裏あたりまでで、残りは"重力"です。
ロードに乗り始めのころは、足の筋肉で乗るものと勘違いをしていたので、あっという間に膝を壊しました。酷いときは歩くのもままならないほど悪化し、毎年のようにぶり返していたのですが、正しい乗り方、姿勢をプロに教わり、脱力して、足や上半身の重みでペダルを"回す"ことを覚えて漸く、膝を痛めることが無くなりました。
最近、絶対に興味を持たないと思っていたゴルフに縁あって手を出してしまいスクールで教わっている最中ですが、最初はガチガチに力が入ってしまい、苦労しました。
"努力"とか"忍耐"とかを学校(特に高校)で叩き込まれた昭和世代ですので、力を入れる方が容易いんですよね。
これは仕事でも言えることで、僕はフリーランスなんで、仕事が途切れるとどうしても不安が頭をもたげてきます。そこで力んでジタバタするとロクなことにならない。慌てて営業して、安い仕事をかき集めて、繁忙期にパンクしてお得意様に迷惑かけてしまう・・・。
20~30代はジタバタと必死で努力する経験は必要だとは思います。限界ギリギリの難しい仕事や、納期のせっぱつまった仕事をこなしていくうちに自分の限界の"境界線"が明確になってきますんで。
境界線が分かると、自分の能力に照らし合わせて仕事を受けるべきか、そうでないかがハッキリするので、スケジュールが立てやすくなり、お客さんにも明確に仕上がり予定を伝えることができます。もし仕事をお断りする際も、自分の限界を把握できていると"何故受けられないか"をちゃんと説明できます。打ち合わせや交渉事でも自分の意見がクッキリ、ハッキリしてきます。
客観的に自分の能力を把握できてないと、自分の管理を他人(上司や管理職)に依存することになってしまいます。そうなると、どうしてもどこか人任せというか、指示されればやるけど自分からは動けない、些細な事でも他人に意見を聞いてしまう・・・という傾向が生じる気がしてます。
若い時に必死で仕事をこなし、経験を積んで自分の能力を一歩離れて見れるようになり、ある程度の年齢に達した後ならば、脱力した方がうまくいくのでは、と思うんですけどね。
僕はすぐ力むので、ゴルフの先生からは"もうどーでもいいや"って感じで重みに任せてスイングして下さいと言われてしまいます。