意匠図面の作成 ”図面の整合1”

意匠図面作成の実践的なことに関して少しづつですが紹介していきます。

本HPギャラリー内で登場している”小型圧縮機”の内部パーツの図面です。(背面、平面、底面図は省略しています。)

大元は設計図をA3用紙にコピーした資料があり、アドビのイラストレータに設計図をスキャンした画像を取り込み、トレースしています。図面の難易度はかなり簡単なものですが、まずはこの図面で説明したいと思います。

意匠図面の作成は、非常に多くの工程があるため、ブログ内ではとても全てを説明しきれないのですが、概略だけでもと考え紹介していきたいと思っています。

また、図面の作成はCAD系のソフトかイラストレータで作成するのが一般的だと思いますが、ここではソフトの操作に関してはとりあえず触れません。ソフトの操作はある程度出来る方(トレース程度はそつなく操作できる方)に向け、概略を説明いたします。

さて、特許図面の場合は発明のポイントを説明する図面ですので、図面間の整合はさほど気に留める必要はないと考えます。見やすさ、分かりやすさを重視しますので実際の形状を多少無視して、デフォルメすることも多々ありますが、意匠図面は基本”そのまま”描いていきます。

今回は、設計図をベースにしていますのでパーツの寸法の記載もありました。細かい部分はトレースのみで済ませますが、ある程度は寸法通りに作成しておいた方が、後々楽です。この辺は物品によって臨機応変に対処しています。

私の場合はまず、正面図を寸法通りに作成した後、整合をチェックするための、ガイドラインを引いていきます。本図では赤い線がガイドラインです。イラレのスナップ機能をONにしてズレないように。ほんの少しずれていることに気づかず作成を進めてしまい、後々苦労するはめになった経験が度々あります(笑)。ガイドは全ての外形線、頂点から引いています。

正面図を描き終えたら、今回の図面では左側面図を描いていきます。ガイドラインにスナップで接着させながら、ここでもズレないよう気を付けながら作成を進めます。左側面図が完成したら、左側面図を左右反転します。反転後の外形はそのまま右側面図の外形となりますので、外形はこれ以上いじりません。これは、正面図と背面図、平面図と底面図の関係にも言えることです。外形線(輪郭線)は正面と背面、平面と底面、右側面と左側面で"完全に"一致しなければいけません。今回の図面は簡単ですが、酷く頭を悩ませる物品もあります。いつか紹介するかもしれませんが、ブラジャーのストラップ等は各図の整合を取るのが非常に難しくなってきます。

紹介した図面は最終的に斜視図(分解斜視図)を作成するために描きおこした図ですので、平面図と底面図は省略しています。この3図を変形させて斜視図を作っていきます。特許図面は下図をそのままトレースすることが多いので、いきなり斜視図を描き始めることも多いですが、意匠では、まず最低でも3面図を作ってから、立体製図の方法論にそって斜視図を作っていきます。

斜視図の作成方はまたの機会に紹介しますが、次回は整合の続き。今回は正面、右側面、左側面間の整合の概略を書きましたが、次回は意匠出願に最低必要な6面図全図の整合の取り方についてです。ホントに概略のみになってしまいますので、質問等ございましたら、CONTACTページからご連絡いただければ、可能な範囲でお答えします。

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