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インドにて13(アシュラム編)

  • kashiwagijunya
  • 2024年10月31日
  • 読了時間: 2分

プーナの生活も1カ月以上たち、知り合いも増えアシュラムにも慣れてきた。


僕はずっとやってみたいと思っていたカリキュラムがあった。

それは1日3時間、全3週間に及ぶセラピーで”ミスティック・ローズ”と呼ばれる人気コースだった。


僕はプーナで誕生日を迎え、23歳になっていたが、既に自分の中のトラウマに気付いていた。


僕の家庭環境はあまり良くなかった。父親と母親は折り合いが悪く、母親はそのストレスを僕に向けた。

肉体的に暴力を振るうわけではないが、異常に過干渉で、自由に好きなことはできなかった。

小言は延々と続き、幼い僕はじっと耐えた。

僕だから耐えられる。他の子供なら母親を”刺してる”。と思っていた。


3歳か4歳のころだったと思う。例によって両親が喧嘩し、母親は父親と”別れる”と言い始めた。

僕はどちらについていくか聞かれたので、父親を選んだ。


父親が好きだったからではない。只々、母親のヒステリックな小言に耐えられないからだった。

結局、両親は離婚はしなかった。


幼稚園のとき、僕は右手を複雑骨折して入院した。1カ月以上入院していたと思う。

3週間ほどたった頃、主治医の先生が”もう退院してもいいよ”と言ったが僕は拒否した。

家に帰りたくなかったからだ。


僕は大学生になって親元を離れるまでずっと我慢し続けていた。

大学に入って一人になって心底ほっとした。


こういう家庭環境だったので、僕の中には大いに感情のブロックがあると思われた。


このトラウマを”ミスティック・ローズ”で一気に解消したいと思い、僕はカリキュラムに応募した。

英語にはあまり自信がないので、専属の通訳(ボランティアでやってくれるのだ)を付けてもらった。

20代半ばの日本人の女の子で、綺麗な子だったので、ぼくは俄然やる気になった。


”ミスティック・ローズ”の内容は大きく3つに分かれていた。

最初の1週間は1日3時間、只々笑い続ける。

次の1週間は1日3時間泣き続ける。

最後の1週間は1日3時間、瞑想する。

というものだ。


1週目、2週目で感情のブロックに働きかけ。

最終週で、漸く瞑想ができる状態になる。感情のゴミが溜まった状態で瞑想しても

静かに座れたものでなく、延々と怒りや悲しみが表面化し悩まされることになる。


1日3時間も感情に働きかけ続けることなど、果たして耐えられるのか?

不安はあったが、とにかく僕は参加することにした。





 
 
 

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