意匠図面の作成”斜視1”
それでは、斜視図作成の概略を説明したいと思います。
特許図面においては、クライアントから提供されたデータを、トレースやコピペで対応する事が多いかと思いますが、意匠図面では基本的にトレースは行わず、先に作成した6面図を使用して斜視図を作成していきます。その際利用する図法がアイソメトリック(等角投影法)です。他の図法を使うこともありますが、基本は"アイソメ"です。
下図を見てください。正方形のサイコロをイメージしてください。正面図、平面図、右側面図を使ってアイソメトリック図法で描いたのが下図の立方体です。
アイソメの特徴は正面図の下辺及び側面図の下辺(青色の線)が水平面(赤色の線)と作る角度が必ず30°になること。正方形内に真円が描かれていますが、斜視図にした際、三つの面の楕円の長軸と短軸の比率が同一であること。そして、正方形の一辺の長さを1とした場合、斜視図の一辺の長さは全て0.82となること(縮み率が同じとなる)の3つが挙げられます。
簡単に言うとアイソメだと効率的だということです。ですから、意匠図面の斜視図はアイソメトリックを使用すると考えてもらっても結構です。
さて、実際にイラストレータを使用して斜視図を描く際に覚えておいて欲しい公式があります。それは、
45°(-45°)回転→垂直方向に57.73%縮小→60°(-60°)回転
です。 この3ステップは必ず使用することになりますので、是非覚えてください。
正面図に公式を使用すると上図のようになります。これで、正面図下辺と水平面が作る角度は30°となり一辺の長さは0.82の比率になります。
公式中の回転方向を時計回りにしたり、反時計回りにしたりすることによって、出来上がる面が変わってくるわけです。
以上が斜視図作成の基本中の基本となります。