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意匠図面の作成”斜視2”

  • kashiwagijunya
  • 2017年6月29日
  • 読了時間: 3分

それでは、以前6面図の整合の取り方の記事で取り上げた、”小型圧縮機”の内部パーツを用いて斜視図の描き方の概略を説明したいと思います。画像が少々見づらくてすみません。

前回斜視図の描き方の記事において、公式を紹介したかと思います。

45°(-45°)回転→垂直方向に57.73%縮小→60°(-60°)回転 の公式です。この公式を使って、以前作成した”正面図”、”右側面図”、”左側面図”を変形させます。上図(A)が変形後の左側面図及び正面図です。

次に基準面を決定します。パーツに厚みを付けていくのですが、その際、基準となる面です。上図(A)では、左側面図の青色で塗った面を基準とします。まずウエイト部に厚みをつけます。正面図に引いた青線1がウエイトの厚みに該当します。前回の記事でも説明しましたが、厚みの方向はアイソメトリックにおいては、30°、90°、150°のいずれかの方向となります。

青線1をコピペし左側面図の適当なアンカーポイントに接着します。その後、青線1の長さ分左側面図をコピペして移動させた状態が上図(B)となります。

同様の方法で上図(A)における赤線2をコピペし、赤線の長さ分ウエイトの楕円パーツを移動させた状態が(C)となります。(C)の緑色のパーツは右側面図から持ってきています。

(C)の状態から、足りない外形線を描き足した状態が(D)、さらに余計な線をトリミングして(E)の状態になります。

ここまでが、ウエイト部です。さらに軸部を描いていきます。

完成したウエイト部の右側面側に変形した右側面図を重ねて配置しておきます。上図(F)の状態です。配置した緑色の 右側面図は軸部を描く際の基準面になります。

まず、上図(F)の青線3の長さをコピペしてウエイト部の楕円中心に接着してください。3本の異なる長さの青線の端点に左側面図において軸部に相当する楕円パーツを配置していきます。上図(G)の青色の楕円パーツがそれにあたります。次に、(F)において”赤線のパーツ4”をコピペし、ウエイト部に配置した基準面(緑色の変形後の右側面)に接着します。上図(G)の状態になるかと思います。

赤線パーツ4に、右側面図から持ってきた軸部に該当する楕円パーツを配置していきます。全て配置し終わった状態が上図(H)です。

ウエイト部の時と同じ様に、足りない輪郭線を描き足したものが、上図(I)、余計な線をトリミングして上図(J)となり完成となります。

以上が、小型圧縮機”の内部パーツの斜視図作成法の概略となります。比較的簡単な図面なのですが、文章で説明することの難しさを痛感します。この説明で描けるようになれば苦労ないよ!と自ら突っ込みたくなりますが(笑)。

以前の記事で、「意匠図面の描き方」的な本もあるが、さわりの説明だけで、実務にはあまり役に立たない・・・と書きましたが、こうして自分で説明してても ”そばで見せて、直接指導する”重要性を痛感しています。10分の1も伝えきれない。。。

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